建築条件付きの土地には、気を付けろ!
土地を探している人は「建築条件付き」という土地に出会うことがあると思
います。
「建築条件?????」という方もいらっしゃると思いますが、悪っぽくい
うと「ひも付きの土地」です。
建築条件付きの土地を持っているのは、「工事会社」の場合が多いです。
不動産会社と工事会社がつるんでいる場合もあります。
「この土地に家を建てたかったら、俺の会社で建てろ!」という条件が付い
た土地のことです。
まあ、工事会社が地主に交渉して、買い取った敷地であれば、そういう条件
を付けたくなりますよね。
だって、地主も簡単には、安くは売ってくれません。
工事会社は、何度も交渉して、やっと安く売ってもらった土地なのに、他の
工事会社に、家を建てられたのでは面白くないですよね。
なので、
「この敷地に家を建てるならば、この工事会社で家を建てていただきます。」
という条件がついている場合があるんです。
もう一つは、
土地の値段を安くして興味を抱かせて、早く売れるようにしていることもあ
ります。儲けは、家の建設費に上乗せしているんです。
土地の契約の時に、工事会社が決まっているわけですから、工事会社のいい
値です。「○○○○万円です。」と言われてしまえば、家はその金額でしか
なくなってしまします。
そんなにお金がないということになれば、家を小さくして、建設費を下げま
しょうという話がでてきます。
そもそも提示されている金額が、妥当な金額なのかどうかが問題なんですけ
どね。
低いグレードの仕様にも係わらず高い金額を言われていたとしてもわからな
いことが多いですし、わかったとしてもどうすることもできません。
多分、あなたには工事費の妥当性は解らないですよね。
また、解ったとして、「高いだろう!」と言っても、
工事会社が「いやいや、これくらい掛かるんですよ」と言われたら、
いくら言っても押し問答になるだけです。
「高すぎるといわれても、このくらい掛かるんですよ」と言われ続けるだけ
です。
まあ、一番の問題は「いい値」にしかならなくて、建主には「建設費の妥当
性」が解らないというところが問題なんですけどね。
※建設費の妥当性については、下記をご覧ください。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~youkiss/tanti/s_okane.html
建設条件付きの土地の場合、工事会社は土地で利益を上げようが、建設費で
利益を上げようが結果は、変わりません。
どちらで利益を出すかということだけです。
土地の値段を安く設定して、早く売って、建設費に利益を上乗せして儲ける
方がおいしいですよね。知識のない素人を騙すのは簡単ですから。
契約書の中に、一文だけ工事会社に有利なことを書いておいて、ごにゃごにゃ
と説明して、「さあ、印を押してください」とやられると、コロッと騙され
てしまいます。
昔は法の抜け道のような部分があって、あくどいことをしている人達もいた
ようです。今もいるかもしれませんが・・・。
契約してしまえば、こっちのものということですね。
土地を購入する時に、家はこの工事会社に作ってもらわなければダメですと
は法律では決まっていません。
土地を売る側の条件として付けられているものなんです。
でも、
法で決まっていないからと言って無視することはできないんですよね。
本当は、
どの工事会社でも、ハウスメーカーでも建てられるはずなのですが・・・。
土地選びの時には、いろいろと条件を考えられている人が多いと思います。
駅が近いとか学校が近いとかスーパーが近いとか病院が近いとか。
自然環境では、雪が多いとか風が強いとか朝日が当たらないとか川が反乱し
たらどうなるとか気になりますよね。
地域柄というか、どんな気質の人達が住んでいるのかも気になるところだと
思います。
「土地を選ぶ」ということは、上記のようなことを自分なりに拘って決めた
いと思いますよね。でも、そんなに都合の良い土地はありません。
絶対ないということは言えませんが、確率はかなり低いですね。
そんな時に、学校も近い、スーパーも近い、駅にも近い、広い道路もあって、
車もなんの問題もないという土地が「建設条件付き」で、「安く」あったら、
あなただったらどうしますか?
「お買い得!!!」と思って、飛びついてしまいますよね。
重要なことなので、もう一度書きますが、
一番の問題は、建設費が「いい値」にしかならないということです。
そして、建主には「建設費の妥当性」が解らない。というところも問題なん
です。
言われた値段でしか家を建てられないし、低いグレードの家を高く売りつけ
られても解らないということです。
これって、安い土地を手に入れられたからと言って、幸せなんですかね?
建築条件付きの土地がすべて悪いとは言いません。
中には良心的に誠実にやっている工事業者、不動産屋もあるとは思います。
でも、
良心的か、誠実かを見極めるのは結構難しいですね。
因みに良心的に誠実にやっている工事業者の工事が、安くて、良い仕事をし
ているかというとこちらも?です。
設計図(30枚程度)という細かく家の仕様が書かれた「共通仕様書」を作っ
て、5,6社から見積もりを取ると驚くほど違うことが解ります。
2300万円が一番安い見積もりとすると3000万円くらいの見積もりを出してく
る工事業者もあります。その差700万円です。
3000万円で見積もりを出してきた工事会社に話を聞くと、「これでも頑張っ
た金額です。」と言います。
え~え、え、えと言いたくなりますが、その会社も真剣なんです。
見積書は50枚程度になりますが、それを作るだけでもかなりの手間です。
その手間が工事を受注できなければゼロです。適当なことなんてする訳があ
りません。
良心的に誠実にやっている工事会社は、なんの悪気もなくいつも自分のとこ
ろでやっている価格で見積書を作成しているだけなんです。
でも、
現実は、もっと安い金額で、良心的に誠実に良い仕事をしてくれる工事会社
が存在しているということです。
この事実を知らない人が多いのが現実です。
そして、
建設条件付きで土地を売っている工事業者が、安くて、良心的で、誠実で、
良い仕事をしている工事業者である確率は、もっと小さなくなるということ
ですね。
あなたにとって一番良い選択は、どんな選択なのかをよくお考えください。
●これから家を新築される方へ
土地選びは、何を基準にされていますか?
選択の条件にすることは、多くても3つまでにしないと土地が見つかりませ
ん。できたら2つくらいに絞った方が良いです。
それも、何十年と住む場所として、どうしても外せないポイントにする必要
があります。
子供はいずれ大きくなります。子供の為の家造りであれば、学校も一つのポ
イントですが、誰の家を建てるのでしょうか。
あなたは、10年後、20年後、30年後、どうなっていますか?
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、
建築条件付きの土地は、お金的には厳しいですね。
どうしても工事業者の「いい値」になってしまいます。
できたら、避けることをお勧めはします。
家造りに対しての選択の幅がかなり狭くなってしまう選択であることを意識
して下さい。
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